特定商取引に関する法律について
「特定商取引に関する法律」の前身である「訪問販売等に関する法律」は、昭和51年6月4日公布され、同年12月3日から施行されました。その後、世の中の変化に対応して、消費者保護を目指した累次の見直し、改正が行われ「特定商取引に関する法律」として改称の上、平成12年11月17日公布され、平成13年6月1日から施行されました。
最新の改正は、平成16年11月11日施行となっております。
主な改正を挙げると次のとおりです。
○
昭和59年改正
・
クーリング・オフ制度の強化(期間を4日間から7日間に)
○
昭和63年改正
・
規制の強化
(適用対象に役務取引及びキャッチセールス、アポイントメントセールスの追加)
・
クーリング・オフ制度の強化
(適用対象に現金取引の追加、期間を7日間から8日間に)
・
禁止行為及び主務大臣の指示、命令等に関する規定の新設
○
平成8年改正
・
規制対象に電話勧誘販売の追加
・
連鎖販売取引の規制強化(クーリング・オフ期間を14日間から20日間に、書面交付違反に対する罰則の強化、禁止行為の対象者の拡大)
・
主務大臣に対する申出に関する規定の新設
○
平成11年改正
・
規制対象に特定継続的役務提供の追加
・
指定法人制度の導入
・
罰則の強化等(罰金額の引き上げ等、法人重課の導入)
○
平成12年改正
・
規制対象に業務提供誘引販売取引の追加
・
連鎖販売取引の定義変更(特定負担金額の削除)
・
「特定商取引に関する法律」と改称
○
平成14年改正
・
迷惑メールに係る行為規制等を追加
○
平成16年改正
・
訪問販売等に対する規制強化及び民事ルールの整備
・
クーリング・オフ規定に新たな規定を追加(契約取消しルールの追加)
・
連鎖販売取引等に関する民事ルールの整備(返品ルールの整備)
◆特定商取引法の概要◆
「特定商取引に関 する法律」は、訪問販売など消費者トラブルを生じやすい特定の取引類型(注)を対象に、トラブル防止のルールを定め、事業者による不公正な勧誘行為等を取り締まることにより、消費者取引の公正を確保するための法律(旧称:訪問販売等に関する法律)です。
(注)消費者からの苦情相談のうち、本法対象の取引類型に関するものが6割以上である。
1.本法律の対象となっている取引形態
(1)
訪問販売(第2条)
自宅への訪問販売、アポイントメントセールス(電話等で販売目的を告げずに事務所等に呼び出して販売)等
(2)
通信販売(第11条)
新聞、雑誌、インターネット等で広告し、郵便、電話等の通信手段により申込を受ける販売
(3)
電話勧誘販売(第16条)
電話で勧誘し、申込を受ける販売
(4)
連鎖販売取引(第33条)
個人を販売員として勧誘し、さらに次の販売員を勧誘させる形で、販売組織を連鎖的に拡大して行う商品・役務の販売【悪質なマルチ商法を防止するための規制】
(5)
特定継続的役務提供(第41条)
長期・継続的な役務の提供とこれに対する高額の対価を約する取引(現在、エステティックサロン、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚情報サービス、パソコン教室の6役務が対象)
(6)
業務提供誘引販売取引(第51条)
「仕事を提供するので収入を得られる」と誘引し、仕事に必要であるとして、商品等を売って金銭負担を負わせる取引【悪質な内職・モニター商法を防止するための規制】
▲このページのトップへ
2.法律の内容
(1)
行政規制
事業者に対して、消費者への適正な情報提供等の観点から、各取引類型の特性に応じて、以下の規制。違反に対しては、改善指導、業務停止の行政処分又は罰則。
1.
氏名等の明示の義務づけ
勧誘開始前に、事業者名などを消費者に告げることを義務づけ
2.
不当な勧誘行為の禁止
不実告知(虚偽説明)、重要事項(価格・支払条件等)の故意の不告知や威迫困惑を伴う勧誘行為を禁止
3.
広告規制
i 広告をする際には、重要事項を表示することを義務づけ
ii 虚偽・誇大な広告を禁止
4.
書面交付義務
契約締結時などに、重要事項を記載した書面を交付することを義務づけ
(2)
民事ルール
消費者が意に反する契約により不当な損害を受けないよう、消費者による契約の解除を認め、また、事業者による法外な損害賠償請求を制限する等のルールを定める。
1.
クーリング・オフ
契約後一定の期間(8、20日間等)冷静に再考して、無条件で解約できる機会を消費者に与える制度
2.
解約時の損害賠償制限等
特定継続的役務取引で、消費者が中途解約する際に、事業者が請求できる損害賠償額の上限を設定等
◆平成16年改正特定商取引法の概要(赤字が新設の事項)◆
訪
問
販
売
1.定義
営業所等以外の場所での商品等の販売等、キャッチセールス等
2.氏名等の明示義務
(1)販売業者等の氏名、名称 (2)商品等
(3)勧誘が目的である旨
3.書面交付義務
(1)申込を明らかにした書面 (2)契約の内容を明らかにした書面
4.禁止行為
(1)不実 (2)威迫
(3)重要事項の故意の不告知
(4)販売目的を隠匿して誘引した顧客に対する公衆が出入りしない場所での勧誘
5.クーリング・オフ
(1)契約後、8日間の無条件解約を認める。
(2)不実告知、威迫困惑により無条件解約ができなかった場合は事業者が無条件解約できる旨の再度の書面交付を行った日から8日間の無条件解約を認める。
6.合理的資料の提出
効能効果等の裏付けとなる合理的根拠(不実勧誘)
7.契約等の取消し
不実、重要事項の故意の不告知の勧誘行為によって顧客が誤認し契約等をした時は取消すことができる。
連鎖販売
取引
1.定義
特定利益で誘引し特定負担を伴う取引(無店舗個人に限る)
2.氏名等の明示義務
(1)事業者の氏名又は名称 (2)特定負担の伴う契約の勧誘が目的である旨 (3)商品等
3.禁止行為
(1)重要事項の故意の不告知 (2)不実 (3)威迫
(4)販売目的を隠匿して誘引した顧客に対する公衆が出入りしない場所での勧誘
4.合理的資料の提出
効能効果等の裏付けとなる合理的根拠(不実勧誘)
5.広告規制
一定事項の表示の義務付け
6.誇大広告の禁止
事実に相違する広告又は優良・有利誤認を与える広告の禁止
7.合理的資料の提出
効能効果等の裏付けとなる合理的根拠(誇大表示)
8.書面交付義務
(1)概要書面(契約前) (2)契約書面(契約時)
9.クーリング・オフ
(1)契約後、20日間の無条件解約を認める。
(2)不実告知、威迫困惑により無条件解約ができなかった場合は事業者が無条件解約できる旨の再度の書面交付を行った日から20日間の無条件解約を認める。
10.
中途解約・返品制度
クーリング・オフ後の(1)中途解約(将来の継続的義務の免除)及び(2)返品制度(商品販売契約の解除。入会後1年以内の個人で90日以内の商品等が対象) による解約、返品を認める。
11.契約等の取消し
不実、重要事項の故意の不告知の勧誘によって顧客が誤認し契約等をした時は取消すことができる。
▲このページのトップへ